会長挨拶

戸山流居合道 福岡県連盟会長
 大野 正信(範士八段)


kadokawa


 令和2年から、県連盟会長として戸山流居合道福岡県連盟の会務遂行に当たらせていただく事になりました。

 諸先輩方や多くの会員剣士の苦労と努力により福岡県連盟活動が継続運営され、来日時の交誼や会員の現地赴任に伴う普及活動等から、イタリア・スェーデン・ベトナム等の国外会員の入会も得て現在では多くの会員が県連盟に在籍するとともに令和2年度から戸山流居合道連盟の本部組織も一新され、本部機能が北海道から福岡へと移り、私も新体制の連盟本部副会長として活動することとなり、県内会員のみならず他県連盟会員とも相互の連携を深め切磋琢磨して、戸山流居合道の更なる普及と発展に努めたいと考えております。

 居合道修練について若干言及するならば、居合は理合とも言い、理屈に合い「無理・無駄・むら」の無い施術が要求され、技量に応じ体力に応じた無理の無い施術を行い、何が無駄で何が必要なのかを理解しつつ、得手不得手に捉われずムラなく稽古を進める事が肝要と考えています。

 居合の稽古は、仮想の敵を想定して演練することになり、その敵は自分と同じ体格、同じ技量であり自分の技量が上がれば敵の技量も上がる、倦まず・弛まず・腐らずに稽古を継続する心掛けが必要です。

 即ち、稽古を続ける限り技量向上は「無限」であり、継続する「養心」が自己向上へ繫がるものと考えています。

居合の技量そのものが現代に役立つとは考え難いですが、修練に伴う身体能力の維持向上と継続修練する心情により涵養される精神は、世情不安定な現代にこそ役立つものと考えております。